2019年6月3日

NEW TENDENCY 未来への潮流 喜多俊之展

本日のブログは昨年竣工したアートサイエンス学科の新校舎、30号館で開催されている展覧会のご紹介です。
 
 

NEW TENDENCY 未来への潮流 喜多俊之展
プロダクトデザイナーで、本学デザイン学科教授の喜多俊之先生は、イタリアと日本でデザインの制作活動をはじめ、家電、ロボット、家具、家庭日用品、伝統工芸品に至るデザインで多くのヒット製品を生みだされています。
作品の多くがニューヨーク近代美術館など世界のミュージアムに永久収蔵されています。

ニューヨーク近代美術館、及び、パリ・ポンピドゥーセンターに永久収蔵されている喜多俊之先生の作品、ウィンクチェアーやキックテーブル、マルチリンガルチェアや、ミュンヘン州立近代美術館や世界的なデザインミュージアムに永久収蔵されている作品も、会場で一同に勢揃いし、とても珍しい展示となっています。

展覧会初日には、喜多先生によるNEW TENDENCYコンセプトトークも開催され、多数の人にお集まりいただきました。定員100名でしたが、予想を超える人数になりせっかくなので、急遽イスを出して対応、先生のお話しを伺いました。

   

展示されている作品やコンセプトのお話しや、最近取り組まれている伝統工芸のデザインについてもお話しされました。伝統工芸というと古いイメージを持ちやすいですが、今は技術の新化や今までにない新しい技術ができ、それによって新しい素材が生み出されているそうです。
そういった新しい素材(マテリアル)だから生み出されるデザインもあるそうです。
先生のお話をされている中に小さく写っている、緑色のイスも実はそのひとつ。素材はぜひ会場でご確認ください!

作品を少しご紹介します。

30号館に入って真ん中に置かれている、メインとなる作品は MINERAL SPACE 「鉱物空間」
(1986)。こちらはパリのポンピドゥーセンター設立10周年記念展として展示公開された作品です。新しい時代にどのような住空間が必要とされるのか、未来に向けての潮流をテーマに建築家やデザイナーが招かれた展示会で発表されました。
広さ16㎡で鉄とアルミニウム、銅、コンピュータ、電気エネルギーなど主原料は鉱物。壁面にはEL画面が備わっていて電子機器を通して光や映像が表現され、人々の心の中のイメージに大きく影響されます。

一方こちらは自然素材を使った1.8㎥の宇宙 CEREMONY SPACE「二畳結界」(1986)。
中に座ると心が落ち着き、瞑想の空間をイメージできます。二畳のこの空間は、漆を塗った木の柱と畳からなり、すべてが植物の空間です。畳の文化と精神の部下のメモリーとして提示されました。
中に座った学生さんは、特別な空間に感じるとのこと。とても居心地が良いそうです。

「SARUYAMA」(1989)
座る、寝転ぶ、とい人間にとって基本的な動作は、生活環境が変わっても不変ではないか」という考えのもとにデザインされました。座ったり、寝転んだり、自分の場所を探すことが出来て、よじ上ることも出来る。まるで猿山のようで、それをネーミングとされたソファです。

代表的なものをご紹介しまいしたが、作品はほかにもまだまだ展示されています。ほとんどの作品が実際触ったり座ったりしていただけますので、ぜひ実物をみていただきたいです。
展示空間となる校舎も、建築家で本学建築学科客員教授の妹島和世氏が設計し、話題となっています。新たなアートを生み出す空間で、喜多俊之先生の代表作をご覧ください。
 
 
 

NEW TENDENCY 未来への潮流 喜多俊之展
会期:2019年5月24日(金)~6月29日(土)10:00~17:00
   *休館日6月2、9、21、23日
場所:大阪芸術大学30号館(アートサイエンス学科棟)
入場料:無料
詳細はHPで→http://www.osaka-geidai.ac.jp/geidai/kh/kitatoshiyuki/

 
 
投稿:中村(企画広報部)