2018年5月28日

小田隆先生「美術解剖学」

みなさんは人物を描く時、何頭身で描きますか?
私は…ご覧のように、3頭身くらいで描くことが多いです。
デフォルメしたキャラクターは、手の大きさや足の長さなどの比率を自分で決められるので、自由に描きやすいんです。
ところが、実際の人間のプロポーションに寄せて描くと、肩幅が狭かったり腕が短かったりと、少しでも比率が違えばすぐにバランスが悪く見えてしまいます。
この人体描写の難しさは、絵を描く人なら経験したことがあるはず。
 

そんな方にぜひ受けていただきたいのが、専門関連科目(美術学科は専門教育科目)で開講されている「美術解剖学」です!
この授業では、骨格や筋肉の構造を知り、人体描写の制作に役立つ知識を身につけます。


授業を担当されているのは、今年度より教養課程准教授に就任された、小田隆先生。
小田先生は画家・イラストレーターとして活躍され、博物館のグラフィック展示や図鑑の復元画、絵本、科学普及書など多数制作されています。

 
私がお伺いした日のテーマは、「プロポーション」。
日本語に訳すと、「比率」という意味です。

頭身の計算方法は、頭頂部からあごの先端までを頭部の長さとして、「身長÷頭部の長さ=頭身」。
身長175cmで頭が25cmなら、175÷25=7頭身になります。
「8頭身美人」という言葉がありますが、実際に8頭身の人はなかなかいないそうで、こちらの骨格模型も平均的な7頭身でつくられていました。
(ちなみに私も測ってみたら、大体7頭身でした。)

 

写真は左から、胸骨手の骨(手根骨+中手骨+指骨)、尺骨上腕骨脛骨大腿骨足の骨(足根骨+中足骨+指骨)、腸骨頭蓋骨です。

授業では、これらの骨がどれくらいの比率でできているのか、比べてみることに。
例えば、足の大きさは、頭の長さとほぼ同じくらい。
手は足よりも少し小さくなります。
肩幅は、大体頭2つ分くらい。
また、大腿骨と脛骨だと大腿骨の方が長いのですが、脛骨に足の骨(高さ)を足すと、ちょうど大腿骨と同じくらいになります。

 

なかなか骨を分解して比べる機会はないですね!

さらに、身体を7頭身とした時のちょうど3番目くらいに臍が来ることや、腕を下げると手首と恥骨の高さが同じくらいの位置になることなども教えていただきました。

 
 

前期にはこのような骨について学び、後期は筋肉について教えてくださるとのこと。
絵を描く学生だけでなく、舞台芸術学科のように身体表現を学ぶ学生にも好評のようです!

授業が終わった後も、先生への質問が後を絶たず、学生たちの関心が深まる素敵な授業でした♪

 

投稿:島田(学生課)