2015年11月26日

所蔵品展「差し向かいの視線―アンリ・カルティエ=ブレッソンのポートレイト」

本日26日(木)まで、芸術情報センター地下展示室で大阪芸術大学所蔵品展「差し向かいの視線―アンリ・カルティエ=ブレッソンのポートレイト前期が開催されました。

アンリ・カルティエ=ブレッソンは1908年にフランスで生まれ、愛用のカメラ”ライカ”を手に世界中をめぐったカメラマンです。
大阪芸術大学博物館が所蔵する「アンリ・カルティエ=ブレッソン自選コレクション」は、生前にブレッソン自らが厳選した作品411点で構成されており、世界に4つしかない貴重なコレクションなんですよ。
博物館では毎年テーマを決め、それに合わせた作品を選りすぐって紹介しています。

ブレッソンの作品と共にしばしば語られる「決定的瞬間」という言葉。
この言葉は、1952年にフランスとアメリカで刊行された初めての本格的な写真集に由来しているそうです。
シュルレアリスム系の豪華な雑誌『ヴェルヴ』の版元から刊行されたフランス語のタイトルは”Images à la Sauvette”。
翻訳すると「逃げ去るイメージ」といったニュアンスです。
しかし英語ではそのような意味の言葉が見当たらず、序文に引用されていた「この世に決定的瞬間を持たないものはない」という言葉からアメリカ版には”The Decisive Moment”=決定的瞬間というタイトルが付けられたそうです。


今回の<前期>の展示では、この写真集が刊行された1952年までの作品の中から、人物を対象としたものを中心に紹介されています。
初めてブレッソンの作品をご覧になる方でもわかりやすいよう、特徴や見どころをおさえたものがたくさん展示されていました!

10代だった1920年代の写真、

1930年代、

そして1940年代から1952年までの作品です。

ただ作品が並べられているだけでなく、ブレッソンの生きた環境や時代背景もそれぞれに添えられていて、その写真がどのような状況下で撮影されたものなのか、ブレッソンがどんなことを考えてその写真を残したのかなどを伺い知ることができる展覧会になっていました。

12月3日(木)からは<後期>の展示が行われます。
<後期>では、1950年代から1991年までの写真が紹介されます。
時代の変化と共に、ブレッソンの作品はどんな表情に変わっていくのでしょうか…?
ぜひ、ご覧ください!

今回の所蔵品展のポスターは、デザイン学科3年生の森岡真菜さんがデザインしました!
<前期>と<後期>で色や角度を変えてデザインされており、タイトルにある「視線」をイメージしたそうです。
所蔵品展と合わせて、ポスターのデザインにも注目してくださいね!

投稿:島田(OUA-TV)