2014年11月27日

”ライカ”を手に世界各地をめぐったアンリ・カルティエ=ブレッソンの写真展

11月11日(火)から22日(土)、芸術情報センター地下展示室で大阪芸術大学所蔵品展「ジャーナリストでアーティスト―「アンリ・カルティエ=ブレッソン自選コレクション」より」<前編>が開催されました。
アンリ・カルティエ=ブレッソンは1908年にフランスに生まれ、95年の生涯に世界各地をめぐり、愛用のカメラ”ライカ”にさまざまな土地の人々の姿をおさめてきました。


<前編>の展示では、ジャーナリストとしてのブレッソンの作品を紹介していました。

こちらは彼が25歳の時に撮影した、初のフォトルポルタージュ(ルポルタージュ…報告文学・記録文学)です。

1931年、内戦に向かって政治的に混乱するスペインでの撮影ですが、ブレッソンがカメラでとらえたのは、生き生きとした子どもや
娼婦の表情です。

第二次世界大戦中も、ブレッソンの撮影は続きました。


戦地の撮影隊として従軍していたブレッソンはドイツ軍に捕えられ、3年近くをドイツの捕虜収容所で過ごしますが、何度も脱走を試
みて3度目に成功させ、帰国後は偽の身分証明書で写真家活動を行いながら、フランスのレジスタンス運動や、戦争捕虜を支援する団体にも参加し、パリ解放を撮影するプロ集団の一員として活躍したそうです。
ブレッソンの、写真撮影に掛ける強い思いが感じられますね!!

1948年から50年にかけては、インドや中国で撮影を行っていたブレッソン。
第二次世界対戦後の歴史の変動の中に暮らす人々の姿を記録しています。

こちらには、1969年にアメリカのIBM社から刊行された写真集『Man and Machine』にも掲載されている写真が展示されています。


その名の通り、当時の新しい機械に囲まれた人々の姿が写っています。
人間が自分たちの作り出した機械に支配されてしまうことをブレッソンは危惧していました。

ちなみに、これが”ライカ”です。


1930年から40年代頃には、「ライカ1台があれば家が一軒建てられる」と言われる高級品だったそうです!!
ブレッソンは、「ライカは私の目の延長です、このカメラがなかったら写真はやらなかったでしょう」という言葉を残しています。

さて、今日からは<後編>、アーティストとしてのブレッソンの作品たちが展示されています!
ジャーナリスト編とはまた違ったブレッソンの表現に出会うことができます。
ぜひ、足を運んでみてください!

出品内容:「アンリ・カルティエ=ブレッソン自選コレクション」より後期〈アーティストとしてのアンリ・カルティエ=ブレッソン〉
会期:2014年11月27日(木)~12月9日(火)
時間:11:00~18:00

投稿:島田(OUA-TV)