2012年9月29日

信太の森のおきつね様 -豊穣神の使い-

kitsune_poster.jpg和泉市立シティプラザ図書館の夏休み企画『信太の森のおきつね様-豊穣神の使い- 』として、本学卒業生大世晃僖さんの写真と図書館所蔵資料とのコラボ展示が、7月21日(土)?8月16日(木)行われました。

 

それは、6月6日のブログでご紹介させていただきました大世晃僖さんのおきつね様写真シリーズですが、大阪府立中央図書館での展示の好評を受け、今回、LIBRARY DESIGN LAB.(図書館サークル)と和泉市立シティプラザ図書館、(株)図書館流通センターとのコラボレーションによって、和泉市立シティプラザ図書館での地域密着型企画が実現しました。

写真: 大世晃僖(霞末侑作)本学大学院芸術研究科博士課程(前期)芸術制作写真専攻2012年3月修了。稲荷信仰を写真で表現する作家活動を中心に、フリーランスカメラマンとしても活躍中。

ポスターデザイン: LIBRARY DESIGN LAB. デザイン学科2回生 北丸郁香

tenji.jpgこの企画は、和泉市の歴史や伝説を地域の方々に知っていただきたいという思いを込めて開催されました。

和泉市には葛の葉伝説というものがあり、葛葉稲荷神社(くずのはいなりじんじゃ)には葛葉姫が祀られています。葛葉姫は、日本の歴史に登場する陰陽師安倍晴明の母親である白狐です。

おきつね様の写真の横に、和泉市の葛の葉物語や伝説、陰陽師安倍晴明関係の書籍等がずらりと並ぶコーナーが設けられました。

夏休み中ということもあり、多くの子供たちも足を止めて写真や本に見入っていました。

 

book.jpg和泉市立シティプラザ図書館の東佐智子館長からのメッセージです。
「プラザ図書館入口の展示ですので、本当にたくさんの方々(約1万人)が写真展示の場で立ち止まって、おきつね様の写真を観てくれて、本を借りていってくれました。写真と本のコラボ展示ができたことは、たいへん良かったと思っています。」

展示をご覧になられた利用者の皆様からのご感想を一部紹介します。
「写真を観た後、葛の葉稲荷神社に初めてお参りに行ってきました。」
「自分の住む地域に葛の葉伝説があることをはじめて知りました。」
「とても魅力的な写真ですね。安倍晴明が狐と関係していたことにビックリしました。」
「こういう感じのおきつね様の写真は観たことがないので新鮮でした。」「おきつね様の写真を子供に観せてあげたいです。」
「実物よりも迫力があって、おもしろかった。」
「おもしろいので写真集を作ってください。」

okitsunesamato.jpg大世晃僖さんに展示を終えての感想を聞いてみました。
「図書館に来られた多くの方々、そして、子供たちに興味を持って写真を観ていただくことができ大変嬉しいです。
稲荷信仰を写真で表現する研究活動をこれからもより深めていきたいと思いました。
葛の葉稲荷伝説のある地域で約1ヶ月間展示ができたこと、このような展示ができるきっかけをくださった方々に感謝します。
また、今回の企画のおかげで、11月10日(土)?11月18日(日)に兵庫県にある芦屋神社の参集所で個展が決まりました。時間があればぜひ足をお運びください。」

そして、今回の展示で、和泉市立シティプラザ図書館で働く、本学映像学科の卒業生(2001年3月卒業)小谷祐仁(こたに よしひと)さんとの嬉しい出会いもありました。

kitsune_de.jpg図書館は、展示用に造られているわけではないので、展示にあたっては、工夫や準備が必要です。そこで、今回の搬入の際には、シティプラザ図書館の方々が、パネルに重たい額が展示できるように等、色々考えて、ご協力くださいました。その際に主になって行ってくださったのが、小谷さんでした!

せっかくの出会いですので、少し、お話を伺ってきました。

●学生時代の一番の思い出は、何ですか?
「卒業制作の上映会時に運営委員になりました。そこで卒業制作展のパンフレットを約3週間で作らないといけないことになり、3週間でイラストレーターの概要を覚え、パンフレットを制作しました。その時、短期間で集中して身につけたことが、後々自分の仕事に大いに役立ったので 印象的に覚えています。

 

●今、仕事をする上で、一番大切に思っていることは何ですか?
「何かを残そうという気持ちを大切にしています。 図書館の仕事は、形で残すというよりも、目には見えない思いを残すという仕事だと思っています。情報が簡単に手に入れることができる時代だからこそ、あえて簡単に答えを求めず、その答えに辿り着く課程の楽しさを知って頂くお手伝いができればと思っています。」

●今の学生に向けて、学生時代にやっておいたら良いと思うことを教えてください。
「人に見てもらう事を意識して作品制作をしよう!自分の為だけに今しかできないものを制作しよう!とアドバイスしたいです。 そうすることでよりクオリティが高い作品ができると思うし、楽しめると思います。 」

色々なところで、活躍する卒業生と出会うことは、とても嬉しいことです。今回も偶然の出会いでしたが、大変お世話になりました!
和泉市立シティプラザ図書館の皆様、小谷さん、どうもありがとうございました!!

和泉市立シティプラザ図書館HP
http://www.library.izumi.osaka.jp/library/city/index.html

信太森葛葉稲荷神社
http://www2.ocn.ne.jp/~kuzunoha/

芦屋神社
http://www.ashiyajinja.or.jp/

投稿:大阪芸術大学図書館