芸大グループの各校で卒業制作展が始まっていますね。 大阪美術専門学校でもようやく13日にオープニングを迎えました。
これは近鉄電車南大阪線からも見えますよ。本校は河内長野行きなら河堀口駅を過ぎて右側に、北田辺駅との間にあります。
毎年本校の卒業制作展のポスターデザインは学生さんから公募しています。今年は美術・工芸学科プリントメイキング専攻 中田あゆさんの作品が採用されました。もうすでにJRや近鉄電車の駅貼り広告で皆さんの目に触れているかも知れませんね。
こちらが原画です。ポスターになったものとは少し雰囲気が違っていますね。 作品コメント「整った顔立ちや体型を見ると反応し、崇拝したり我が物にしようとしたり嫌悪したり無視したりといった行為に捕らわれます。」
デザイン学科グラフィックデザイン専攻 中川裕太さん「野生化」 不法投棄された製品たちが自然の中で力強く野生化する。・・・わけもなく自然には自分たちの居場所などないといった皮肉めいた表現でシリーズを想定したものだそうです。これは奈良の春日山原生林に何度も足を運び、彼が実際に撮影したものです。鬱蒼とした森の深さと電化製品の有りようが、あらたな共存のカタチとも明日への警鐘ともとれる作品です。
キャラクター造形学科アニメーション専攻 古国府薫さん「シマシマ虎と白兎」 彼女は、1年次に共立国際交流奨学財団の主催するアジア体験コンテストに応募し、『ベトナム少数民族に伝わる神話でアニメーションを作る』という企画で入賞しました。その賞金で春休みと夏休みに、ベトナム少数民族の神話を調査し彼等から古布や端切れを集め、帰国後すぐに制作にとりかかったわけです。
世界中の誰が見ても感じられるアニメーションを作りたい、という彼女のコンセプト。台詞は一切なく、音や動きですべてを表現しています。音響はベトナムの民族楽器で演奏したものを使い、ほとんどの材料がベトナムの布やアクセサリーで制作に3ヶ月かかりました。このタイトルバックが手作りなのが見てもらえるでしょうか?とてもよくできているので、じっくり座って鑑賞してほしい作品です。
デザイン学科イラストレーション専攻 坂田絵理奈さん「美人画」 ぱっと見ると日本画のようですが、和紙の上にアクリルガッシュを使って描いてあります。かすれた感じやぼかしなどの色合いを出すために裏から何枚も和紙を重ね、画材にもこだわり何ヶ月も試行錯誤を繰り返した結果、優しく美しい、どことなくエキゾチックな現代風な美人画ができあがったようです。今後もますます描いていきたいとのことでした。
そんなに大きくはないのですが、美術・工芸学科彫金アクセサリー専攻 姜美眞さんの作品「ダフネの心臓」はとても印象的です。なるほどタイトル通りのカタチなのですね。けれど私には別のモノに見えてしまいました。写真では分かりにくいのですが、ティアドロップのところが美しい血の色なのです。
デザイン学科イラスト専攻には立体作品もあります。光石理絵さんのかえるくんは美専祭にも出没、とても人気で私も買ってしまったクチです。去年は美専の先生たちの2等身フィギュア作品が大好評でした。
ロビーでは映像専攻の優秀作品のみですが、ほかの作品はC棟スタジオで1年生の進級作品と同時上映されています。
キャラクター造形学科では卒業制作だけでなく1年生の進級作品も見ることが出来ます。漫画専攻は少年向け、少女向け、青年向けに分けてあり、アニメ専攻の絵コンテ集もありました。
初日には卒業生がたくさん来てくれました。事情があって卒業できなかった学生さんも、人より時間のかかった個性的な学生さんも元気な顔を見せてくれました。芸大に編入した学生さんも帰宅途中に寄ってくれました。ずいぶん遅い時間でしたけど・・・
こういうとこが美専の魅力なのです!!
まだまだ紹介しきれてない専攻がいくつもありますので、是非一度足を運んでみてください。 近鉄河堀口駅から徒歩4分、電車から見えるので近いですよ?!
投稿者:大阪美術専門学校事務局
●第27回 大阪美術専門学校 卒業制作展 会期:平成21年2月13日(金)→2月16日(月) 10:00→17:00 会場:大阪芸術大学附属大阪美術専門学校
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