2008年11月6日

チェ・ジウ主演、韓国ドラマ「アスカの恋人」制作発表

本日ついにドラマ『アスカの恋人』」制作発表がありました。これまでこのドラマのことは、メディアに対して秘密裏にすすめられてきました。今日の制作発表で一気にベールを脱ぎました。
そうあの「冬のソナタ」のヒロイン役として知らない人はいない「チェ・ジウ」が主演する韓国テレビドラマです。日韓連携「国境を越えた産学協同プロジェクト」として、大阪芸術大学が日本での撮影に協力して進められました。
チェ・ジウ ユ・ジテ 韓国ドラマ アスカの恋人 スターの恋人 SBS
このドラマは「冬のソナタ」の作者オ・スヨン氏の作で、韓国では『スターの恋人』というタイトルで放映されます。チェ・ジウユ・ジテの初共演、監督(演出)にブ・ソンチョル氏など韓国トップのキャストとスタッフを配したSBSドラマです。話題になることは必至です。

日本(関西)のロケ地として、神戸や大阪、奈良市内、奈良県明日香村の各所があり、なんと大阪芸術大学も撮影の舞台となっています。昨日も大学内では朝早くから撮影が行われていました。在校生の方々には先週土曜日と昨日学内で撮影中のチェ・ジウさんを見かけた方も多いのでないでしょうか?

本日、芸術劇場の舞台上では、制作発表として『韓流文化のパワーと魅力!』と称した特別講義形式のプレス発表が行われました。塚本学長、アン・ソンミン氏(エグゼクティブプロデューサー)、ユ・ジテ氏(出演俳優)、イ・ヨンチョル氏(撮影監督)、ブ・ソンチョル氏(演出担当)と川村龍一先生のゲストトーク形式で今回の『アスカの恋人』の制作現場のお話や日韓におけるTVドラマ作りの相違点のお話や、韓国の映画・ドラマはなぜ人気があるのかなど韓国のコンテンツビジネスについてなど興味深いお話が展開されました。
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エグゼクティブプロデューサーのアン・ソンミン氏からは今回の作品が日韓の文化や歴史のつながりをポイントにおいたドラマであることやこのプロジェクトが日韓連合の新しいコンテンツビジネスを生み出すであろう、というようなお話をいただきました。また、監督のブ・ソンチョル氏からは、韓国ではしばらくメロドラマが作られていなかったという背景があることやα族、β族(日本で言う勝ち組、負け組のような社会構造)の一蹴も含めて愛を描くドラマを目指したなど今回のドラマのポイントをお話いただきました。撮影監督のイ・ヨンチョル氏からはカメラを通して観た日本の風景の印象や、撮影には「情熱」が必要だ、などのお話をいただきました。

「チョルス」役のユ・ジテさんからは、「チェ・ジウさんがこの会見に来ていれば男性人の目の色も変わったでしょうね」とジョークを交えながら、今回TVドラマ初出演となった「チョルス」のキャラクターについて、そしてTVドラマ初出演の感想を「ドラマの良いところは瞬間的な感情表現をモニタしやすいことです」など感想をコメントしてくださいました。
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また塚本学長から「産学協同のお話をいただいて“伸るか反るか”の判断をするときにはいつも“学生の活躍する場があるかどうか”という部分で判断しています」と産学協同の経緯などについてコメントがありました。
 
大阪芸術大学は奈良市内などロケでの撮影実施にあたり、制作・技術協力において映像学科、放送学科、舞台芸術学科の在校生が実習として参加するなど、この『アスカの恋人』」に関わってきました。ドラマロケを現場教材として実習にキャストやスタッフとして参加した学生の体験発表も併せてこの場で行われ、製作現場の状況がよくわかりました。
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現在放送中のテレビドラマ「ブロードキャストASUKA」にも出演している舞台芸術学科の小林加奈さんは、セリフはなかったそうですが2つシーンに出演されています。「韓国の俳優さんのオーラを感じました」と感想を話し即興でそのシーンの演技の再現もしていただきました。映像学科の今西 健さんは「韓国のドラマスタッフの方は朝3時からロケでもパワーが溢れている。メリハリがスゴイ。この経験でやる気が出た」などの感想をお話されていました。
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その後の質問コーナーではユ・ジテさんへの「今後取り組んでみたい役柄は?」の質問に「これまでの17作品では“役柄で選んで出演した”という経験はない。どんなシナリオで、どんな監督で、どんなスタッフなのかを考えてきた」「映画、ドラマ、演劇などを問わずいろいろな役をやってみたい」とお話されていました。
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「映画とドラマの違いについて」という質問には、イ氏から「ドラマも映画も一緒に勉強する必要がある」、ブ氏からは「デジタルとフィルムの媒体の違いを深く認識する必要がある」、ユ氏からは「ドラマではじっくりキャラクターを作ることができるが、映画ではそうはいかないので強烈なキャラクターを演じてみたい」などそれぞれのお立場の見解をお答えいただきました。
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映像学科の学生さんからイ・ヨンチョル氏に「いつから撮影というものを一生の仕事にしようと思いましたか?」という質問がありました。「中学生のときに『男と女』(仏)という映画を観て、モノトーンの美しさに感動したのがキッカケです。でもその話には後日談があり、その映画の制作にはお金がなく、フルカラーで撮影できなくて仕方なくモノクロで撮ったという現実的なお話をきいたことがあります」と言う答えがとても印象的でした。

今回の講座では日本と韓国のドラマ制作の違いについて、さまざまなお話が聴けました。アン・ソンミン氏の言葉を借りると「視聴者といっしょに呼吸している」がそれを象徴しているようでした。韓国では常に視聴者の反応を反映してシナリオや方向性、放映期間などを柔軟に変化させる制作体制になっているそうです。「いかに愛されるか、いかに受け入れられるドラマにするか」を考えて反応をリアルタイムで反映して仕上げていくのが韓国流なのだそうです。そして「ビジネスの視点からは言うと、これからはプラットフォームにこだわらない作品作りを考えなければならない」というお話がありました。「映画だとかテレビだとか、ケーブルだとか衛星放送だとかではなく、マルチプラットフォームで。最近ではドラマを放映した後、ケータイ電話の動画配信で5分ものの放送をして、更にその5分モノを再編集して映画にすることもある」と、そんな総括で締めくくられました。

ドラマの概要:「アスカの恋人」(韓国名「スターの恋人」)
すべての男たちに‘私の女神様’と呼ばれる世の中で最も美しくてセクシーで強靭な女、映画俳優イ・マリ(チェ・ジウ)。もしかしたら、世の中で最も賢いかも知れないが、実は翌月の家賃も払うことができない貧しい男、国文科の大学院生キム・チョルス(ユ・ジテ)。世界の男性の99%が愛することになるほどの魅力をもったマリと、世界の女性の1%にも選ばれることはないだろう男チョルスが出会います。
このお話はスターが平凡な男を愛するシンデレラのストーリーではなく、一人の男性と一人の女性がどのように愛に陥るかという、“恋愛”のお話です。

ドラマは「スターの恋人」として韓国で123日から放送予定です。(これも韓国流で1週間前倒しのスケジュールになったそうです。)放送時間終了の30分後からインターネットでも配信(有料)されるそうで、日本では20094月から放送予定。

この冬、韓国SBSと大阪芸術大学がチャレンジした「新しいドラマ作りの形」に注目です!

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