2008年10月23日

三菱ケミカルジュニアデザイナーアワード2008

10月21日、三菱ケミカルジュニアデザイナーアワード2008(MITSUBISHI CHEMICAL JUNIOR DESIGNER AWARD 2008)の発表がありました。今年3月に工芸学科テキスタイル・染織コースを卒業された加藤真生さんの作品「Enjoyment trick」が見事、「榮久庵憲司賞」(審査員賞)を受賞されました!おめでとうございます!

このアワードは未来の一流デザイナーを目指す学生たちの“卒業制作”を対象としています。言わば卒業制作の日本一を決定するコンペティションです。応募総数202作品、一次審査通過作品は48作品。今年度は「大賞」の該当作品がなく、代わりに佳作が3点選ばれました。その他、三菱化学賞をはじめ、10人の審査員賞あわせて14点の作品に賞が与えられました。
デザイン アワード 2008 三菱 ケミカル ジュニア 打ち掛け 加藤
受賞作「Enjoyment trick」は“「花嫁の打ち掛け”をイメージして制作されました。2007年度卒業制作作品集にも工芸学科の研究室賞として紹介されています。シルクオーガンディーという素材を使いパッチワーク技法で制作されています。たくさんの絹の布片を絹糸で一針一針手仕事で縫い合わせた美しい作品です。韓国伝統の手芸として「ポジャギ」というものがあります。小さな布片を無駄にすることなくつなぎ合わせて作る豊かな色彩のパッチワークのことで、ポジャギで作られる作品のことを日本では「チョガッポ」呼ぶこともあり、福を呼び込む縁起の良いものとされています。この打ち掛けは、そんな「福」も意識してポジャギの技法で作られているんだと思います。

制作意図:
花嫁の打ち掛けをイメージした衣装である。衣装として着用した後は衣桁等にかけてタピストリーにでき、思い出が生活空間を彩れるようにした。透け感があるので軽やかな雰囲気になるだろう。全てを手縫いで行ったのは、大切に育てた子供を想う親心を表現したかったからである。人を幸せにするのは温かい想いだと思う。愛情をこめての手仕事のすばらしさはそこにあり、工芸の生活美の信念だと感じ、それをコンセプトに制作した。

審査員の榮久庵憲司氏は選評のなかで「伝統と現代をつなげて創作した優れた作品です」「今回の作品は何かと暗い世相を明るくします」と評価していただいています。工芸学科・小野山和代先生は担当教官推薦コメントで、「このように地道な手作業で作品制作をおこなう学生は少なくなりつつあるが、手仕事のすばらしさを再確認する素直な作品となった」と語られています。
(文章の一部は「三菱ケミカルジュニアデザイナーアワード」ホームページより引用させていただきました。)

ホームページでは加藤真生さんの受賞コメントもありますので是非ご覧ください。
授賞式は10月31日(金)だそうです。
●三菱ケミカル ジュニアデザイナーアワード2008
MITSUBISHI CHEMICAL JUNIOR DESIGNER AWARD 2008 受賞作品展
◇日時:11月6日(木)→9日(日) 11:00-19:00
◇場所:東京国際フォーラム ガラス棟B1Fロビーギャラリー(住所:千代田区丸の内3-5-1)
詳しくは三菱化学ニュースリリースのホームページでご覧ください。
http://www.m-kagaku.co.jp/newsreleases/2008/20081021-1.html

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