今日は、キャラクター造形学科で行われたかわぐちかいじ先生の特別講義の模様をご紹介!
かわぐち先生の代表作には「沈黙の艦隊」「ジパング」「阿智洋の黙示録」などがあり、壮大な舞台で男たちが活躍する大河ストーリーを得意として描かれている漫画家です。
なんと、今年で漫画を描いて40年になるそうです!
先生が漫画家になれたのには、数々の”ラッキー“があったからなのだそうです。
小学生の頃から漫画が好きだった先生は、漫画を模写してその世界観に入り込んでいたのだそうです。
模写するという遊びは大概「ひとり遊び」になってしまいがち。
ですが、先生には双子の弟がいらっしゃり、2人とも漫画が好きだったので、競争しながら絵を描く環境に恵まれていたそうです。
「すぐ横にライバル・自分の理解者がいたことはとてもラッキー!自分だけでは、きっとどこかで飽きる。続けることができたのは弟がいたから」
また、大学生の時には漫画研究会に所属していたそうで、3年生の時に「夜が明けたら」という作品でデビューを果たされました!
しかし、デビューしても全然漫画の仕事は来なくて、認めてもらおうと、とにかく漫画を描き続けたそうです。
「もし、学生じゃなかったらあんなに漫画を描く時間はなかったと思う。学生だったことはすごくラッキー!」
そして、これらのラッキーはキャラクター造形学科の学生たちにも当てはまることです!
漫画家を志す仲間がまわりにたくさんいて、漫画を描く時間がたくさんある!このラッキーを最大限に活かしてほしいですね!!
さらに、黒板を使ってのコマ割り講座も!
コマ割りは、場面転換や時間の流れを読者に想起させるための技法で、漫画の演出において重要な役割を担っているものです。
かわぐち先生は、「漫画と映画は両方”コマ”を使っているという共通点があるけれど、その見せ方が違って面白い」と話されます。
映画においてのコマとは、1枚の絵が記録された静止画のことで、複数のコマを連続で見せることで人物が動いているように見える仕組みになっています。
漫画のコマも1枚の絵で表現したものですが、漫画はたった1枚の中で、描かれた人物が動いているように感じさせることができるんです!
さらに漫画は、映画のように音を入れることができませんが、吹き出しや文字を使って音を感じさせることができます!
このような独特の表現が、漫画を描く上での醍醐味なんだそうです。
止まった絵なのに、動いて見える!作者の意図した通りに、読者が頭の中で映像を思い描きながら読んでくれる!それが面白いんですね!!
「漫画を読む時、どうしてこんなコマ割りになっているのか?何が伝えたいのか?考えながら読んでください。コマを割れるのは、漫画だけ!!楽しみながら描いてほしい」
最後に、かわぐち先生がおっしゃった言葉の中で、特に印象深かったものを残しておきます。
「面白い人が描いた漫画は、面白い。つまらない人が描いた漫画は、つまらない。
つまらない人というのは、ありがちなことを考えてしまう人かな。どうか面白い人間になってほしい」
これは、漫画家をめざす人だけでなく、芸術を学ぶ学生たち全員に言えることではないでしょうか?
面白い人間になれるよう、がんばりましょう!!
かわぐち先生、素敵なお話をありがとうございました!
投稿:島田(企画広報部事務室)