「シェル美術賞」は2008年で52周年を迎える歴史のあるアワードです。今年は、過去最高の応募作家数1,144名、同作品数1,700点、ならびに出品者の平均年齢27.4歳という圧倒的な若さが特徴です。美術をこよなく愛する若手作家の登竜門でもあります。
今年度はグランプリなく、準グランプリが2点設けられました。そんな中、なんと大阪芸術大学美術学科卒業生、現在美術学科の副手をされている渡邉順子さんの作品が「中井康之審査員賞」を受賞されました。おめでとうございます!!
昨日の昼下がり、渡邉さんのもとへインタビューに向かいました。
ここからはインタビュー形式でお伝えします。 ・ 受賞された今の気持ちを聞かせてください 「シェル美術賞に出品する前は、シェル美術賞に自分の作品が受け入れられるかどうかと考えるほど、固定的なイメージを持っていました。このような賞を頂いて自分の軸がぶれることなく、また、軸を中心にしなやかさを持って制作に励む出発点ができたように思います。」 ・ 受賞作品の制作意図などを聞かせてください 「図と地の関係によってできる空間を大切に制作しています。図と地の関係によってできる余白の見え方を感じて、自分の中での緊張と安心の空間を考えています。」 ・ なるほど!空間や構図を意識して鑑賞すればいいんですね。画面の左の方のちょろっと出ているものは何ですか? 「これは種子です。」 ・ 種子ですか?!?これは何だろう?とすごく気になっていたんですよ。使用画材に黒ニスを使っていらっしゃいますが、どんな効果がありますか? 「自分の姿が映るくらいつやがでます。茶色の部分は黒ニスのにじみです。」 ・ このにじみや木炭の線がいい味出してますね。
渡邉さんお忙しい中どうもありがとうございました!!
私は渡邉さんの作品を観て、まさに現代アート!!といった印象を受けました。 「循」(じゅん)というタイトルは制作後につけられたそうです。このタイトルから、黒ニスの漆黒の空間と、白い地の空間を循環する大きな流れを感じました。その無機質な流れの中にぽつんと描かれた種子が、小さな希望を生み出している。何かポジティブなエネルギーが潜んでいる作品のように感じました。またダイナミックな構図とは対照的に精密に描かれた種子に生命力を感じ、種子を描くことによってできる地の白い空間が心地いいなぁと思いました。 本日授賞式が行われています。そして、明日からシェル美術展が始まります!!
●シェル美術賞展2008 (東京展)2008年11月12日?11月24日 代官山ヒルサイドフォーラム
(京都展)2009年 1月 6日? 1月11日 京都市美術館別館 >>>シェル美術賞公式ホームページ
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