9月25日・26日の2日間、工芸学科金工研究室主催の特別講義「錫を知る」が開講されました。講師には、錫器事業協同組合の伝統工芸士である今井章二、今井達昌両先生をはじめとして、10名ほどのスタッフの方が来学されて、丁寧な指導をしてくださいました。
受講学生も多数参加、工芸学科金属工芸コースの学生だけではなく、ガラス工芸コースやデザイン学科の学生の参加もありました。
はじめに、錫という金属の特徴や扱い方について講義を受けました。錫は、金属の中でも融点が約230度と低く、比較的やわらかい金属なので形が作りやすいのですが、そのため逆に仕上げの際には、傷がつきやすいという特徴があるとのこと。また、純錫は加工しにくいので通常は他の金属を少量まぜて錫器を製作するらしいのですが、近年、食器の製作には、かつて使用していた鉛を使用しないようになっているとのことでした。作業中の注意点などの説明もあり、その後は実習が中心で進められました。
直径12?の円形の平たい錫の板をかなづち(かなづちにはいろいろな模様がついています。)で叩いて模様をつけ、その後木型などにそって叩いて形を作りお皿を製作。皆楽しそうにひたすらたたく、たたく、たたく。でも皆、目は真剣です。ロウ付けという接合の仕方で、製作したお皿に足をつけている学生さんもいました。
また、錫がやわらかいという特徴をかなづちで叩いたり、かんなで削ったりしながら実際に体感。ロクロを使って鋳物を削って、仕上げ、研磨もするそうです。
錫を溶かして、しゃくで鋳型に流し込むとういう鋳造作業も体験。いくら低い融点とはいえ、約230度の温度ですから、皆やっぱり真剣な表情で取り組んでいました。
今回参加した皆さん「錫を知る」ことはできましたか?錫器事業協同組合のH.P.に掲載されている記事によると、錫は、においがつかず錆びない。そして、保温性や防湿性にも優れているとのこと。また、近年イオン効果の高さも注目されているそうです。今回製作した作品を是非そばに置いておいてイオン効果で癒されてください。
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