2011年12月18日

アーティストKOSUGI+ANDO「遷移状態」 キュレーター室井絵里 ギャラリーCAS

  

DSC002124.jpg10月8日(土)から10月29日(土)まで、大阪なんばにあるギャラリーCASで、KOSUGI+ANDO「遷移状態」が行なわれていました。この展覧会のキュレーターは室井絵里さん(文芸学科83卒)です。室井さんはインデペンデントキュレーターとして、いままで数々の現代アートの企画を行なってきています。今回はKOSUGI+ANDO「遷移状態」の展覧会をキュレーションしています。キュレーションとは近年特に使われるようになった用語で、企画の立案運営や資金収集まで、展覧会を作ることに大きく関わっている人を指します。また、キュレーターは、自らの視点でアートと社会に切り込み、アーティストと共に展覧会を社会に発信していく仕事でもあります。美術館や博物館の学芸員がそのような役割を果たしていますが、室井さんのように美術館などに属さず、インデペンデントキュレーターとして活躍している人もいます。

 

DSC001681.jpg室井さんは現代美術の批評に関わり、数多くの美術雑誌等に展覧会批評を寄稿してきました。室井さんがKOSUGI+ANDOのキュレーションを行なってきたかを簡単に記述します。1980年代京都アンデパンダン展(京都市美術館)が行なわれており、そこで、KOSUGI+ANDOの作品を体験したそうです。絵画、彫刻、8ミリフイルムなど映像、音響の作品やアクション、パフォーマンス等は一般化していたとしてもインスタレーション形式の作品は日本では珍しかったと思います。京都市美術館一室を使用した林剛+中塚裕子のコラボレーションによるインスタレーション作品に筆者も驚かされました。絵画や版画、彫刻などの批評の現場にいた室井さんは、この目新しいインスタレーション形式の批評とはどのようにあるべきかと考え、それ以来このグループのキュレーションを続けておられるとの事です。

 

DSC002185.jpg写真は、KOSUGI+ANDOさんとのトークと作品です。
作品は、コンピューターで制御された回転する台の上にスライドプロジェクターがあり、日常のありふれた風景が次々と映されていますが、ある時間になると回転台が高速で動き出し、スライドがけたたましい音とともに映像が早いスピードで展開されるな装置になっています。赤ん坊の寝台の上には、ばらばらになった日本地図がぶら下がっています。ギャラリーのご協力で写真を掲載させて頂きます。

報告 加藤隆明教養課程講師 協力 芸術計画学科研究室

アーティストトーク http://www.youtube.com/user/CASnpo#p/u