今日は、先月放送学科の学生を対象に行われた、大阪芸術大学とNHK大阪放送局 共同開催の「NHK大学セミナー」の模様をご紹介します!!
お越しいただいたのは、NHKの番組「ドキュメント72時間」のディレクターを務められている森あかりさん。
森さんは、2004年にNHKに入局され、「クローズアップ現代」や「おやすみ日本眠いいね!」「ジドリ」といった番組の企画制作を行って来られました。
そして、2013年に「ドキュメント72時間」シリーズ立ち上げに参加。
現在はデスクとして、毎週の放送に関わられています!!
今回のセミナーでは、「ドキュメント72時間」について紹介され、ドキュメンタリーの制作秘話や心構えなどが、学生たちに伝えられました。
この「ドキュメント72時間」という番組は、人々が行き交う街角にカメラを据え、3日間の偶然の出会いを記録するというもの。
有名人ではなく、ごく普通の人々の姿を映し、その人生にあるドラマや社会のリアルを、25分という番組の中で伝えています。
森さんは番組を制作する中で、「自分は先入観を持って取材をしている」ということを痛感されたそう。
インタビューをする相手を選ぶ時、最初は「あの人は怖そうだから、やめておこう」と考えられることもあったと話されました。
しかし、実際に話を聞いてみると、想像がひっくり返ることも多々あって、想定とは違う意外な出口にたどり着くことがあるのだそうです。
「私たちが期待・想像したものと、取材したものがズレていくことこそ、リアル」と、森さん。
森さんが現場で発見したことを、視聴者が追体験できるような編集を心がけているそうです!
ドキュメンタリーは本来、「実在の出来事を、虚飾を交えることなく記録したもの」を指します。
でも、どうしてもつくり手の人間性というのが出てしまうもの。
番組が伝えたいものが取材前から決まっていて、意図して撮影しているのでは…と、視聴者に思われることも少なくありません。
そんなドキュメンタリー番組を、どう企画し、取材、編集していくのか。どうリアルを伝えるのか。
とても考えさせられるセミナーとなりました!
森さん、素敵なお話をありがとうございました。
投稿:島田(企画広報部事務室)