今日は、放送学科制作コースの授業をご紹介します。
制作コースでは、放送業界で通用する即戦力を身につけるため、テレビやラジオの番組づくりを学びます。
2年生の「制作実習Ⅰ」では、「ラジオ」「ドラマ」「ドキュメンタリー」「スタジオ」「中継」の実習から、前期で1つ・後期で1つを選び、制作に挑戦。
そして3年生の「制作実習Ⅱ」では、「ラジオ」「ドラマ」「ドキュメンタリー」「スタジオ」、そして今年度からスタートした「OUA-TV」の5つから1つ選択し、1年間かけて、より専門的な実習に取り組みます。
私が先日お邪魔したのは、新しくスタートした「OUA-TV実習」!
この実習では、大阪芸術大学テレビ事務室(OUA-TV)で制作しているアート情報番組「大阪芸大テレビ」のコンテンツを企画・撮影・編集します。
「大阪芸大テレビ」は現在、奈良テレビ放送、サンテレビジョン、テレビ和歌山でオンエア中。
地上波での放送基準を満たした作品制作に挑みます!
この日は、授業を担当されている放送学科講師の井口俊宏先生に加わり、テレビ事務室でカメラマン等の業務に就かれている北條宏哉さんが特別指導!
北條さんは、大手テレビ技術プロダクションにおいて、スポーツやイベント中継、報道、バラエティー、ドキュメンタリーなどのENG(※)を担務。
2016年よりフリーランスとなり、テレビ番組撮影からVP制作まで幅広く活躍されています!
※ENG(Electronic News Gathering)は、直訳すると「電子的ニュース取材」という意味になりますが、一般には持ち運べるカメラでの取材体制のことを表します。
今回は、「1つの場所でカットを稼ぐ」「1つの被写体でカットを稼ぐ」というテーマで、北條さんが実際に撮られた番組の映像を見ながら、撮影のノウハウが伝えられました!
大学の課題は時間をかけて取材しても問題ありませんが、プロで現場に出ると取材時間が決められていることが少なくありません。
限られた時間の中でたくさんカットを稼ぐには、やみくもにあちこち動き回るより、1つの被写体を色んなサイズ・アングル・カメラワークで撮影したり、1つの場所から撮れるカットをたくさん見つけ出すのが効率的なんだそうです。
ただし、単に数を稼げばいいという訳ではなく、映像で伝えたい企画に合った、編集で使えるカットでなければ意味がありません。(んん~難しい!!)
時間に追われる中で、何に重みを置くのか、その「重みづけ」がENGの撮影ではとても重要なんです。
「例えばカフェの紹介なら、お店の外観が10カットあるより、美味しいスイーツが10カットあった方が、その魅力を伝えることができますよね」と北條さん。わかりやすい!
授業の後半は、北條さんの話を踏まえて、中継車の紹介映像(約1分)の制作にチャレンジ!
「まずは、映像の粗構成を考えて、その撮影に必要となる機材を選ぶこと!」と井口先生から指導があり、2つの班に分かれて打ち合わせが始まりました。
その間に私も、静止画ですが、カットのパターンを考えて中継車の周りをウロウロしていました。
しかし、なんだかしっくり来る構図ができず…
「バランス良く撮れないんです」と北條さんに尋ねると、素早くカットを決めてくださいました!
(全然違うのがお分かりいただけるでしょうか!?)
「スポーツカーのような車は人間の目線で見て美しく見えるようデザインされていることが多いですが、中継車のような車はどっしり感を伝えたいので、しゃがんで撮影するのが一つの見せ方ですよ」とのこと。
こういったスタンダードなカットが決められるようになったら、その味付けとしてトリッキーなカットを増やしていくと良いそうです!
「大阪芸大テレビ」では、学生たちが授業で制作した映像も、すでにオンエアされていますよ!今後も注目です!!
地上波の放送にも通用する作品が早くたくさん制作できるよう、がんばれ学生たち!!
私もブログ取材を通して、構図の綺麗なカットが撮影できるよう、精進して参ります!
投稿:島田(学生課)