2015年3月5日

バランスのとり方 2kwギャラリー 1/12-24

奈良田晃治氏(F02)が企画したグループ展である。出品者は奈良田氏本人のほか石川丘子氏(版画)と谷口嘉氏(ガラス)である。近年まで展覧会は美術関係者、学芸員、評論家などが企画運営をしていたが、制作者自身が企画し参加者を選択し展覧会をすることも珍しくなくなった。色々な要因が考えられるが、今回は企画した奈良田氏に話を聞いた。

今回の企画の動機は、自身の制作スタイルの確認にある。自身と媒体(キャンバス・筆等)そして対象物の関係を意識し、その制作スタンスの近い作家を選び、幾度の話し合いの内決めたという。

絵画、版画、ガラスという形態も制作方法も異なる作品を同一空間で鑑賞した時、鑑賞者は何を見ることができるのか。奈良田氏の作品と床に展示され作品をまわるように鑑賞する石川氏の版画も密度の濃い表情を作ってはいる。しかし内的な感情は余り読み取れない。むしろ平面が隠し持つ法則や構造を、線や面や色彩で掘り起こしているように感じ取れる。谷口氏の作品もガラスという自由度の高い表現が可能な性質の素材である物を、極力自らの感情でコントロールしていないように見える。

最初、「静と動」、「硬と軟」、「透過と遮蔽」ということが展示空間に感じられたが、じっくりと作品を経験するうち最初に受けた印象は消え、制作における媒体との距離感が見えてきた。その瞬間、この展示空間は緊張感のある静寂さに包まれていることに気が付いた。

報告 教養課程講師 加藤隆明 協力 芸術計画学科合同研究室