2014年7月16日

図書館所蔵品展「デザイナーとしてのウィリアム・モリス 二十毛識壁掛けと木版印刷壁紙」

今日は、6月7日(土)から7月5日(土)まで行われていた「図書館所蔵品展」の模様をご紹介します。
大阪芸術大学図書館では、4階のスペースを使って年に6回程所蔵品展を開いており、普段は貴重資料として書庫に保管されている資料をその時々のテーマによって公開しています。

今回のテーマは、「デザイナーとしてのウィリアム・モリス 二十毛識壁掛けと木版印刷壁紙」。
モリスは19世紀イギリスの詩人、デザイナーとして有名で、「モダンデザインの父」と呼ばれています。
製品化と製造計画から販売までの全てを統括するとともに、壁紙や捺染布地、織物などの工芸技術の修得にも励み、濃密な色彩と自然の様式化の方向でデザインに取り組んでいました。

二十毛識壁掛け「小鳥」は、モリス一家が住んでいた住居「ケルムスコット・ハウス」二階客間の壁面に掛けるためにデザインされたものです。
小鳥と生い茂る木の葉が絶妙な青色の地面からほのかに浮かび上がっており、この黒味を帯びた青は当時の流行色にもなりました。


マリーゴールド」は、モリスの壁紙デザインが大きく変化してからの作品で、控えめな単色刷りではあるものの精細で流動性に富んでいます。

小鳥とアネモネ」と題されたこちらの作品も単色刷り。
明快で堅実な独特の色彩が異彩を放っています。


さらに「百合」と「花柄の渦巻き」は、モリスの薫陶を受けたジョン・ヘンリー・ダールの作品です。
彼は様式と色彩においてモリスに類似した優れた壁紙デザインを手がけていて、後にモリス商会のアート・ディレクターに就任しています。

さて、大阪芸術大学図書館では、明日17日(木)より、所蔵品展「日本美術にたどる水辺の情景」を開催します。
この展示では、日本美術の画家たちがとらえた自然、なかでも夏の季節に関連させて、涼しさや安らぎなどをもたらす水にまつわる写本や版本から作品を選んで展示を構成しました。
夏の暑さを和らげてくれると思いますので、ぜひ足を運んでみてください!!

大阪芸術大学図書館所蔵品展
「日本美術にたどる水辺の情景」
7月17日(木)-8月7日(木)
図書館4階展示コーナー

投稿:島田(OUA-TV)