2011年11月2日

図書館はあなたの好きな場所ですか。

皆さんこんにちは!

今回は、大阪芸術大学図書館からの投稿ブログです!

図書館はあなたの好きな場所ですか。

 むしょうに本が読みたくなった時や、何となく疲れたかなって時、ボクは図書館に行くことにしています。
 閲覧室の一角(そこはボクの好きな場所)に座って、のんびり風景写真や好きな画集をめくっていると、しだいに心が落ち着いてきます。

 あなたもそんな場所がありますか?
 どんな場所でもいいんです。好きなことに集中できるっていうか、アイデアがひらめいたり、もやもやとした考えがひとつにまとまったり…。なあーんか、ほっとできる場所。

 今、世界はさまざまな問題を抱えながら、巨大な情報体が何であるかを探るように絶えず拡がり、変容し続けているようにボクには見えます。よりよく生きるためにはどう進んでいけばいいのだろう。混沌とする世界の入り口に立つボクたちに、未知への探求心は失わないで!って、エールを送ってくれている場所。それが芸大の図書館です。

 1ミリずつ、近づいてくる。 新時代の図書館は、「本を読む・借りる」、「何かを調べる」ところといった、これまで誰もが図書館に対して持っているイメージを完全に超えています。百聞は一見に如かず!芸大図書館に一歩入ると、”読書抜き”でも、図書館が楽しめます。    
たとえば、閲覧室。日本の伝統工芸を現代の生活の中で楽しく使ってもらおうと学生がデザインした、竹素材の鞄や椅子が展示されていたり(思わずボクは、座っちゃってました)、学習室に隣接する壁には院生が撮った、闇に浮かび上がるトンネルの写真が掛けられていたりと(抑制されたモノクロームの世界に吸い込まれそうになりました)、学科や専門は違っても芸術を学ぶ同志として、大いにボクは刺激を受けています。
図書館が本の提供だけに終わらず、学生と図書館を結びつけるために「学科のおすすめ図書」やカテゴリー検索、貴重資料の紹介など、いろいろ工夫を重ねていることがわかります。どうですか、図書館が少しずつボクたち利用者に近づいているような印象をもちませんか。

 

1102toshokan000.jpgこんなHome madeな図書館を学生の視点から提案する人がいました。様々なジャンルのデザインを手がける近澤優衣さん。彼女は今年3月に本学の博士課程(前期)芸術制作デザイン領域を修了しましたが、在学中から、図書館と学生のコミュニケーションを図るには、どういうアプローチをしたらいいかを考えていたらしく、そこからコミュニケーション自体をデザインにするという発想が生まれました。発想はやがて、修了制作の作品となり、
「図書館で、できること。 図書館が、できること。」- 大学図書館と学生のための双方向からのコミュニケーションデザイン – と題して学内外で発表した後、現在、図書館で展示しています。

 

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図書館をモチーフにした展示は珍しく、デザインを学ぶ人をはじめ、図書館の仕事に就きたいと思っている人、もちろんボクのように本が好きな人など、多くの人に見てもらいたい、イチ押し!の内容になっています。が、どうしても見に来られない人のために、一部ですがここに紹介します。

 

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近澤さん手作りの白い箱たち。新着図書を並べるもよし、芸大生が作ったオリジナルの作品を展示するもよし。実用的であるとともに、この箱が図書館員と利用者をつなぐコミュニケーション・ツールになることをねらいにしているそうです。

 

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館内の案内(ピクトグラム)やお知らせも、伝える側の気持ちがこもったデザインになっています。思わず足をとめて、じっと見入っている学生が何人もいました。

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ルービック・キューブを思わせる「SIGN BOX」。ポップなデザインで親しみが持てます。

 

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近澤さんは、きっと図書館が好きなんだと思います。彼女が作った数々のデザインには芸大図書館への希望が素直に表現されていて、ボクにも何か図書館でできるんじゃないかってやる気が湧き上がってきます。
さる文化人が、図書館は大学の心臓部だと書いていましたが、そんなに堅苦しくなくても、近澤さんがデザインで表現したように、芸大図書館が人と人をつなぐ、うるおいのある場所になったらいいなと思います。そして、知性や感性を磨くためのヒントになる情報をこれからも発信し続けてほしいです。

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図書館で、できること。 図書館が、できること。近澤さんの他にも、この思いをカタチにしようと集まった学生たちがいます。図書館サークル「LIBRARY DESIGN LAB.」のメンバーです。彼らの活動はまたいつか取り上げさせてもらいますが、図書館からのメッセージを館員の皆さんに代わってあなたに伝えます。
–情報の宝庫である図書館で「未知」を「既知」にしてください。芸大図書館はあなたの学びや創造力の素をこれからも提供していきます。– 
もし、何をどう学んでいけばいいのかわからない時、こころが迷子になった時、図書館で過ごしてみてはどうでしょう。コミュニケーションのとり方なんて、考えているより図書館で夢を見つけてみようじゃないですか。

近澤優衣 Works
・ 『大阪芸術大学図書館利用案内』デザイン
・ 『やさしく読める図書館利用案内』デザイン 製作・著作:近畿視覚障害者情報サービス 研究協議会LLブック特別研究グループ・LL編集委員会
・ 富田林市「大阪金剛簾プロジェクト すだれ×アート」(2010年8月,2011年2月)     ポスター・チラシデザイン
・ 障害者施設「四天王寺さんめい苑」イベント ポスター・パンフレットデザイン多数  他

※ 今回展示した作品は、「図書館総合展2011 ポスターセッション」
(於)パシフィコ横浜 に出展する予定です。 
     
過去の図書館総合展 ポスターセッション出展作品は、コチラ→

写真2 – 7 撮影: 三田 周(写真学科2回生)


近澤 優衣 Chikazawa Yui デザイン制作展
2011年9月30日(金)- 11月12日(土)
(於)大阪芸術大学図書館2階閲覧室